精油(エッセンシャルオイル)とは?

精油(エッセンシャルオイル)は、植物の花・葉・樹皮・根・種子・樹脂などから抽出された天然の素材です。
有効成分を高濃度に含有し、揮発性の芳香物質です。 各植物により特有の香りと機能を持ちアロマテラピーの基本となるものです。

【精油(エッセンシャルオイル)の性質など】
精油(エッセンシャルオイル)は香りを持ち(芳香性)空気に触れると蒸発していきます。よって保管方法も気をつけなければなりません。また水よりも油になじむ性質もあり、水を張った容器にエッセンシャルオイルをたらしても表面に幕を張ったように浮きます。これは水に比べ比重が小さいからです。クラフト作りでは最初にアルコールや植物油などで希釈して使用することが多いです。

精油(エッセンシャルオイル)とは、植物が作り出した有機化合物が数十から数百種類が集まったものです。植物ごとに種類や量が違うため効果も香りもそれぞれ違います。
たくさんの種類の有機化合物が集まったからこそ、心と身体の働きを鎮める鎮静作用・痛みを和らげる鎮痛作用・細菌が増殖するのを抑える抗菌作用・ホルモンの分泌を(内分泌)を調整するホルモン調節作用など様々な作用も一つの精油(エッセンシャルオイル)から表れる場合もあるのです。そして香りイメージと効用は一致することが多いです。

【精油(エッセンシャルオイル)のでき方】
精油(エッセンシャルオイル)は植物の分泌腺で作られ油胞に貯められます。
油胞の多い場所は植物によって異なります。そのため各精油(エッセンシャルオイル)によって抽出部位が違うのです。例えば、オレンジや柑橘類は果皮表面に油胞が多くあります。
【植物は何のために精油(エッセンシャルオイル)を分泌しているのか】
植物は光合成により植物自身が生きていくために酸素とブドウ糖を作り出します。これを植物の一次代謝と言います。精油(エッセンシャルオイル)はブドウ糖ほど大切ではなく、精油(エッセンシャルオイル)は植物の二次代謝で作られています。
植物が精油(エッセンシャルオイル)を作る目的は厳密には解明されていませんが、それは植物自身が自らを守るためではないかと言われています。
植物が生存していくためには受粉しなければいけません。香りを出すことにより虫や鳥などおびき寄せ受粉を手助けしてもらったり、または遠くに種子を運んでもらい生息を広げるなど他の生物を利用するためです。このように精油(エッセンシャルオイル)を分泌し香りを発し虫や鳥などおびき寄せることを誘引効果と言います。
また、逆に虫や鳥に食べられないように苦味成分を出したり、虫の嫌がる匂いを出すことにより遠ざけたりする効果を忌避効果と言います。
植物内に有害なカビや菌が増殖しないよう植物自身を守る効果(抗真菌効果・抗菌効果)もあります。
その他にも精油(エッセンシャルオイル)が蒸発することにより植物自体を冷やすため、他の植物の増殖を防ぐためなど色々な精油(エッセンシャルオイル)の役割には説があります。

【エッセンシャルオイルの抽出方法】
わずかな精油(エッセンシャルオイル)を抽出するのには非常に多くの原料が必要になります。
例えば1kgのローズの精油(エッセンシャルオイル)を得るために必要なバラの花は150万個と言われています。ラベンダーなら1.6トン。希少価値が精油(エッセンシャルオイル)の値段にも比例していまです。

また、熱に弱い、強いでも精油(エッセンシャルオイル)の抽出方法は変わります。
抽出方法はその成分の性質に合わせて選ばれます。代表的な精油製造法として
(1)水蒸気蒸留法
(2)圧搾法
(3)油脂吸着法
(4)揮発性有機溶剤抽出法
(5)超臨界流体抽出法
があります。そして、今も効率的に抽出できるか精油製造法は開発され続けています。

(1)水蒸気蒸留法
現在もっとも多く使われている抽出法です。水蒸気を通して精油(エッセンシャルオイル)成分を取り出す方法です。
装置が簡単で安価、大部分の精油(エッセンシャルオイル)がこの抽出方法で採れます。熱や水によって成分が変化しないものに向いている抽出方法です。
1. 原料となる植物を窯に入れそこに水蒸気を通します。
2. 上記の熱により芳香成分が植物から蒸発し気体になります。
3. 水蒸気(芳香成分を含む)が、冷却管内を通るうちに冷やされ液体になります。
4. 液体は油と水に分かれます。
5. 上層(浮いた油)が精油(エッセンシャルオイル)です。精油(エッセンシャルオイル)は水より軽いため浮いています。
6. 下層(水)が水溶性の芳香成分を微量に含んだ芳香蒸留水(フローラルウォーター)として抽出されます。このフローラルウォーターは化粧水としてなどクラフト作りで幅広く活用されます。(例 ローズウォーター ラベンダーウォーター ネロリウォーターなど)

(2)圧搾法
柑橘類の果皮を器具で押しつぶし芳香成分を採る方法です。
柑橘類の果皮に含まれる精油(エッセンシャルオイル)を抽出していきます。
果皮は蒸気にあたると品質が悪くなるためこの方法で採取されます。
また、低温で採ることができるため芳香成分が熱によって変化されないので自然のままの香りが特徴です。
1. 収穫した柑橘類は洗浄し、運ばれます。
2. ローラーや遠心法による機械で圧搾していきます。(以前は手で果皮を圧搾しスポンジに吸わせて回収していました)
圧搾法で採れた精油(エッセンシャルオイル)は不純物が残りやすいやすいので変質しやすく、他に比べて劣化が早いと言われています。
また、圧搾法で抽出した精油をエッセンスと呼ぶ場合もあります。

(3)油脂吸着法
牛脂や豚脂、オリーブ油などに植物の芳香成分を吸着させる方法です。繊細な花の精油(エッセンシャルオイル)などを得るには非常に優れた方法です。
1. 植物を脂肪(牛脂や豚脂)に浸して芳香成分を吸着させます。
2. 常温の脂肪を使う場合(冷浸法アンフルラージュ)
3. 60~70℃の過熱した脂肪を使う場合(温浸法マセレーション)
4. エチルアルコールを加え芳香成分を抽出し、低温化でエチルアルコールを除去する。
芳香成分でいっぱいになったものをポマード、油脂吸着法で採れたものをアブソリュートといいます。
手間と費用がかかるため現在はほとんど使われてなく、簡単で安価な有機溶剤抽出法が使われています。

(4)揮発性有機溶剤抽出法
揮発性の有機溶剤(石油エーテル ヘキサン等)を入れた釜に原料植物を入れ常温で溶剤に植物の芳香成分を溶かしだします。
安価で一度に大量に抽出できるため油脂吸着法に変わって利用されている方法です。
1. 原料となる植物と揮発性有機溶剤(石油エーテル ヘキサン ベンゼン)を一緒に入れかき混ぜます。
2. 芳香成分だけではなく、植物由来の天然ワックス(ろう)も抽出され溶けだしてきます。
3. 低温で有機溶剤を除去したあとエチルアルコールを加え芳香成分だけ抽出します。
揮発性有機溶剤抽出法によって樹脂から得られた芳香成分をレジノイドと呼びます。
天然ワックス・色素・芳香成分が混じりあったものをコンクリートと呼び、最終的に得られたものをアブソリュートと呼びます。
完全に溶剤が除去しきれない場合もあり、そのことによりアレルギー反応が出る場合もあるので精油(エッセンシャルオイル)とは区別するべきだという考え方もあります。

(5)超臨界流体抽出法
二酸化炭素など液化ガスを溶剤として使います。液化ガスに圧力を加えて芳香成分を取り出します。装置が大がかりな為、高価であまり用いられていません。
1. 原料となる植物と主に二酸化炭素などの液化ガスを一緒に入れ高圧力をかけます。
2. 高圧力を加えると気体と液体の中間である流体(超臨界状態)になります。
3. 流体の圧力を戻し液化ガスを気化させ芳香成分だけ抽出します。
超臨界流体抽出法で得られたものをアブソリュートと呼び芳香成分そのものが抽出でき精油(エッセンシャルオイル)の安全性はとても高いです。